木曽のチェーンソー、林業機械専門店 由井機械株式会社

△▲△ハスクバーナ440e分解(4)△▲△

キャブレターやシリンダー・ピストンについて補足いたします。

 

キャブレター、インテークフランジ、シリンダー各ポートの位置関係をおさらいします。

繰り返しますが、上がエア吸入ポート、下が混合気吸入ポートです。

H440e-18.jpgキャブレターですが、なんともヘンテコな形ですね。

H440e-19.jpg

少し中を見てみましょう。

H440e-55.jpg

一般的なチェンソーのキャブレターは本体の上下にメインダイヤフラム、ポンプダイヤフラム

が付いた形ですが、440eのキャブレターは刈払機などによく見られる、ポンプボディーを

はさんでメインとポンプが取り付けられ、本体下部にセットされた形です。

これはエア供給システムがダイヤフラムキャブレター部の上に乗っかっていますので、

こういった形になる訳です。それを除けば特に変わった内部構造ではありません。

 

次にスロットルバタフライ(バルブ)の動きを見てみましょう。

アイドリング時のバタフライの様子です。

エア側(上)、混合気側(下)ともに閉じていますね。

H440e-20.jpgハーフスロットル時のバタフライの様子です。

エア側は閉じていますが、混合気側が少し開きます。

H440e-21.jpgフルスロットル時のバタフライの様子です。

エア側、混合気側ともに全開になります。

  H440e-22.jpgアイドリング~ハーフスロットル~フルストットルへと上下バタフライが連動する様

は、まさにギミックと呼びたくなる動きです。

エンジン回転に応じた、混合気と掃気用エアを適切に供給しているのでしょうね。

 

次にシリンダーの吸気用バイパス(D)についてです。

H440e-24.jpgバイパス経路はシリンダ一体構造ではなく、シリンダーの溝にフタをする形で

クランク室と吸気ポートをつなげています。

このフタはシールされた上、特殊工具でしか回せないネジ(普通のトルクスレンチでは

回せません)で止められています。基本的に開けないということです。

この形にしたのは、製造上の便宜であって、特別な意味なないようです。

フタをしたものは開けたくなりますが、一度開けるとフタが変形して元に戻せなく

なり、しかもこのフタは部品として供給できないようです。残念!

「製造上の便宜」でこの形状というハスクバーナサービスの言葉を信じて、

今回このフタを開けるのは断念しました。

 

次はピストンです。2つの溝について形状が分かるようアップにしてみました。

裏にもありますので合計4つです。

H440e-32.jpg下の溝については明らかな意味を分解(3)で示しました。

上の溝について、ハスクバーナサービスの見解は「冷却効果」ということでした。

確かにピストンの表面積が増えることと、冷たい混合気がクランク室から供給される

ことによる冷却効果は見込めますが、果たしてそれだけか?という疑問は残ります。

ちなみに同様のシステムをとるゼノアのストラトチャージドエンジン。ピストンには

上の溝は無く、下の溝だけになっています。

興味のある方は、それぞれ考察してみてください。

 

440e分解(5)へつづく・・・

 

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