△▲△ハスクバーナ440e分解(4)△▲△
キャブレター、インテークフランジ、シリンダー各ポートの位置関係をおさらいします。
繰り返しますが、上がエア吸入ポート、下が混合気吸入ポートです。
キャブレターですが、なんともヘンテコな形ですね。
少し中を見てみましょう。
一般的なチェンソーのキャブレターは本体の上下にメインダイヤフラム、ポンプダイヤフラム
が付いた形ですが、440eのキャブレターは刈払機などによく見られる、ポンプボディーを
はさんでメインとポンプが取り付けられ、本体下部にセットされた形です。
これはエア供給システムがダイヤフラムキャブレター部の上に乗っかっていますので、
こういった形になる訳です。それを除けば特に変わった内部構造ではありません。
次にスロットルバタフライ(バルブ)の動きを見てみましょう。
アイドリング時のバタフライの様子です。
エア側(上)、混合気側(下)ともに閉じていますね。
ハーフスロットル時のバタフライの様子です。
エア側は閉じていますが、混合気側が少し開きます。
フルスロットル時のバタフライの様子です。
エア側、混合気側ともに全開になります。
アイドリング~ハーフスロットル~フルストットルへと上下バタフライが連動する様
は、まさにギミックと呼びたくなる動きです。
エンジン回転に応じた、混合気と掃気用エアを適切に供給しているのでしょうね。
次にシリンダーの吸気用バイパス(D)についてです。
バイパス経路はシリンダ一体構造ではなく、シリンダーの溝にフタをする形で
クランク室と吸気ポートをつなげています。
このフタはシールされた上、特殊工具でしか回せないネジ(普通のトルクスレンチでは
回せません)で止められています。基本的に開けないということです。
この形にしたのは、製造上の便宜であって、特別な意味なないようです。
フタをしたものは開けたくなりますが、一度開けるとフタが変形して元に戻せなく
なり、しかもこのフタは部品として供給できないようです。残念!
「製造上の便宜」でこの形状というハスクバーナサービスの言葉を信じて、
今回このフタを開けるのは断念しました。
次はピストンです。2つの溝について形状が分かるようアップにしてみました。
裏にもありますので合計4つです。
下の溝については明らかな意味を分解(3)で示しました。
上の溝について、ハスクバーナサービスの見解は「冷却効果」ということでした。
確かにピストンの表面積が増えることと、冷たい混合気がクランク室から供給される
ことによる冷却効果は見込めますが、果たしてそれだけか?という疑問は残ります。
ちなみに同様のシステムをとるゼノアのストラトチャージドエンジン。ピストンには
上の溝は無く、下の溝だけになっています。
興味のある方は、それぞれ考察してみてください。
440e分解(5)へつづく・・・